介護業界における今後の採用トレンドに関して
昨今、介護施設における人材採用はますます難しくなっています。
それもそのはずで、介護関連職種の有効求人倍率は3.9倍と、全職種の平均有効求人倍率1.61倍と比べてもはるかに高い水準と言えます。
さらに、宮城県の求人倍率(3.92)は東北でも最も高いものとなっています。
(山形県:3.39/福島県:3.23/秋田県:3.12/青森県:3.03/岩手県:2.59)
宮城県においては事業者数が多いことに加え、他業種における求人倍率も高いため、人材が分散してしまい介護業界に流入しないことも要因の一つなのです。
しかしながら、人材を確保しないことには事業拡大はもちろん、事業継続すら難しくなってしまうかもしれません。
では、この人材難である現状において、介護施設が人材獲得のためにすべきことは一体何なのでしょうか?
結論、自社採用(独自採用)こそが、最も効率的で効果的な採用手法になり得るからなのです。
※以下、自社採用で統一
ちなみに現在、求人をする場合には以下のような手法に訴えることが多いのではないでしょうか?
- 求人サイト/求人誌
- 人材紹介/人材派遣
- ハローワーク
しかし、これらの採用手法を講じたとしても、採用の可能性は低いどころか、掛かるコストは日々上がっています。
そしてご存じの通り、介護業界ほどこの傾向が強いと言っても過言ではありません。
そこで強化すべき採用手法が、自社採用なのです。
介護施設こそ自社採用にこだわった方が良い
自社採用におけるメリット
そもそも、「なぜ自社採用が良いのか?」というと、以下のメリットがあるからです。
差別化
低コスト
継続性
自社採用を強化することで、この3つのメリットを教授することができるようになります。
続いて、これら3つのメリットをそれぞれ説明していきます。
3つのメリット
差別化
現状、ほぼ全ての介護事業者が求人を行っています。
そしてその多くは、先ほど挙げたような手法(求人サイトや人材紹介、ハローワーク)です。
しかし、どの媒体で訴求(露出)したところで、似たり寄ったりで各事業者(各施設)ごとの特徴は見えてきません。
また、給料などの条件面で訴求しようとしても、介護業界という業種柄、それでも難しいのが現状です。
しかし、自社採用に舵を切ることで、媒体の色に染まったり競合と同じ土俵で張り合うこともなく、オリジナリティで勝負することが可能になります。
さらに現在求人を探す人のほとんどが、スマートフォンを通じたインターネット上で行います。
そのため、いかに独自性のある訴求ができるかこそ、目に留めてもらうためのポイントです。
これらのことから、自社採用を強化することは、他事業者との差別化につながり、それが人から視線を向けてもらうための第一歩となるでしょう。


低コスト
最大のメリットはコストが下がることかもしれません。
多くの介護事業者は採用を行うにあたって、コストを掛けています。
例えば、求人広告であれば数万円~数十万円、人材紹介であれば数十万円~数百万円が現在の相場です。
しかし、自社採用であれば費用が掛かることはありません。
求人媒体や人材紹介といった中間業者と通す必要がないため、その分のコストが削減されるためです。
もちろんその分、手間を掛けることはしなければなりませんが、それ以上に大きなコストメリットが得られるはずです。
継続性
採用とは一過性のものではなく、定期的なイベントです。
事業拡大に際しての採用や次世代育成の採用、欠員対応への採用など、目的は異なるものの、採用とは事業を継続する中で定期的に起こる出来事です。
そのため、いかに継続的に認知してもらい、採用につなげれるかが大事です。
そうした状況において、ブランディング強化でもある自社採用は有利だと言えるでしょう。
自社の露出を増やし、魅力的な訴求をすることで、一時的な認知ではなく、継続的な認知を獲得することにつながり、それが採用というシーンにおいても役立てることができます。

自社採用を実現するためには?

ここまで、自社採用のメリットについて話してきましたが、ではその自社採用を実現するためにどうしたらいいのでしょうか?
それは、まずはホームページから見直してみることです。
というのも、このような事例が数多く散見されています。
求人サイトやハローワークで求人を見たり、人材紹介で求人を紹介されたとき、その介護施設や運営会社をネットで探してみる。
そして、そこのホームページを見て、古いホームページだったり、情報量が少なかったりするところには応募しない。
そもそもホームページがないところは、論外です。
その施設がどんな雰囲気で、どんな人を求めているのか分からないところで働くのは不安だから。― 20代女性
このように、特に20代~30代の人はスマホを通じて、自分の考えやイメージを確認するためにネット上で情報を収集します。
しかしそこに、目当ての情報がない場合、行動をやめてしまうのです。
これはリスクを嫌う20代~30代の典型的な行動パターンだと言えます。
だからこそ、介護事業者が「私たちはこういう者です。」と表明することは必須で、それに伴って、彼・彼女たちにとって自分たちがいかに魅力的なのかを伝えることが求められます。
この前提条件を満たしていないと、採用という目的が達成されなくなってきています。
逆に言えば、自分たちの存在を示し、魅力的な振る舞いをするだけで、先ほど挙げたメリットを享受した採用が実現できるのです。

採用手法も状況によって変化する
まだ、求人サイトや人材紹介を使っての採用で効果を上げることも可能ではあります。
しかし先ほど話したように、今後はますます難しくなってくると思われます。
では、そのような状況に至った場合でも人材を採用できる介護事業者、介護施設はどんなところかというと、
やはりアイデンティティー(自分はこういう者だという認識)を持ち、それを魅力的に打ち出せるところでしょう。
今の人、特に若い世代というのは、目に見える行動は起こさない一方で、案外情報は積極的に取りにいきます。
すなわち、そこでまずは目に留まる、そして印象に残るということができれば、
それは採用につながるステップだと思っていいのではないでしょうか。
まずはホームページから見直してみませんか?